パパの浮気現場
密告
「……え?」
突然届いた見覚えのないアドレスからのメールを見て、私はスマホの画面を二度見してしまった。
『保坂明は女子大生と不倫関係にある。
三日後の午後五時、A駅北口に行けば真実を知ることができる』
保坂明、私の実の父。
パパが女子大生と不倫? ……嘘でしょう!?
「どうかした?」
隣のソファに座っていたママが不思議そうに私の方に目を向けた。
ドラマが始まるのを待つ間、それぞれがスマホを触っていた。
パパは出張中。だから、二人で夕飯を食べて、そのまま流れでリビングでお茶しながらドラマを観ようとなった。
パパは出張。……出張って、本当に?
背が高くて若々しくてかっこ良くて、とても高校生の娘がいるようには見えない私のパパ。同じく若々しくてユーモア満点のママとも仲が良くて。
自慢の両親だったのに!
「ううん。なんでもない!」
こんなメール、ママに見せられる訳がない。
ていうか、冗談だよね!?
……でも一体、誰がこんなことを?
「ね、未玖(みく)、お茶入れるけど、飲む?」
「いらない」
ちょっと前まで……このメールが届く前までなら、きっと、いつものように「紅茶なら飲む」って答えてた。
だけど、今、ママの前で冷静でいられる自信がない。
スマホの画面を消して、そっと立ち上がる。
「もうすぐ、ドラマ始まるよ?」
「急用。麻衣からLINE来た」
「そ? じゃ、録画しといてあげる」
「ありがと」
動揺が顔に出ないよう取って付けた笑顔を貼り付けてお礼を言うと、私はそのまま二階の自分の部屋に向かった。
◇ ◇ ◇
突然届いた見覚えのないアドレスからのメールを見て、私はスマホの画面を二度見してしまった。
『保坂明は女子大生と不倫関係にある。
三日後の午後五時、A駅北口に行けば真実を知ることができる』
保坂明、私の実の父。
パパが女子大生と不倫? ……嘘でしょう!?
「どうかした?」
隣のソファに座っていたママが不思議そうに私の方に目を向けた。
ドラマが始まるのを待つ間、それぞれがスマホを触っていた。
パパは出張中。だから、二人で夕飯を食べて、そのまま流れでリビングでお茶しながらドラマを観ようとなった。
パパは出張。……出張って、本当に?
背が高くて若々しくてかっこ良くて、とても高校生の娘がいるようには見えない私のパパ。同じく若々しくてユーモア満点のママとも仲が良くて。
自慢の両親だったのに!
「ううん。なんでもない!」
こんなメール、ママに見せられる訳がない。
ていうか、冗談だよね!?
……でも一体、誰がこんなことを?
「ね、未玖(みく)、お茶入れるけど、飲む?」
「いらない」
ちょっと前まで……このメールが届く前までなら、きっと、いつものように「紅茶なら飲む」って答えてた。
だけど、今、ママの前で冷静でいられる自信がない。
スマホの画面を消して、そっと立ち上がる。
「もうすぐ、ドラマ始まるよ?」
「急用。麻衣からLINE来た」
「そ? じゃ、録画しといてあげる」
「ありがと」
動揺が顔に出ないよう取って付けた笑顔を貼り付けてお礼を言うと、私はそのまま二階の自分の部屋に向かった。
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