婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。
もちろんこの国や他の国にも、土魔法の魔導師はいる。植物学の研究者もいるだろう。
けれどそこに光魔法の恩恵が加われば、彼の存在は唯一無二のものとなる。
特にベルツ帝国は、まだ幼かった頃のサルジュを浚おうとした過去がある。
あのときは光属性の王子なら誰でも良くて、容易に連れ出せそうな一番年下の王子を狙ったのだろうが、今となっては彼の価値はあの頃とは比べ物にならない。
だからこそ生徒の護衛ではなく、専属の護衛騎士を付けることになったのはわかる。
でもそれに自分が選ばれるとは思ってもみなかった。
しかも王太子であるアレクシス直々の指名だ。
騎士団に所属しているカイドは、エデッド伯爵家の次男である。
エデッド伯爵家は歴史のある由緒正しい家柄で、昔から様々な家と婚姻関係を結んでいた。
そのため、生まれる子どもは昔から色々な属性を持っていた。
今も父は風魔法、母は水魔法の属性だというのに、長男である兄は風魔法。カイドは火魔法で、長女は水魔法。一番下の妹のミィーナは土魔法であった。
次男のカイドは、火魔法を有効に使うために騎士を目指した。
入学する前から鍛錬に励んでいたこともあり、学園に入るとすぐに同い年のアレクシスの護衛に命じられる。
< 321 / 355 >

この作品をシェア

pagetop