離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
完全に自分の仕事について語っていた。
今は看護師の竹内さんなのに。


「津田さんはどんなお仕事を?」


竹内さんからサラリーマンだとは聞いた。
ただ彼女も詳しくは知らないようで、『適当に話を合わせておいて』というハードルの高い要求をされている。


「私は医療機器や医療材料を扱う会社に勤めています」


津田さんは内ポケットから名刺を取り出して私の前に差し出した。


「株式会社ティーメディカル、第一営業部部長……」


三十一歳で部長なんて、できる人なのかしら。

医療関係の仕事をしていて松村先生を知っていたから、見合いに駆り出されたのだと腑(ふ)に落ちた。


「親会社が繊維を扱う会社でして、その技術を生かした医療材料なんかを販売しています。野上総合さんにもお世話になっているんです」

「そうでしたか」


看護師が扱う医療材料の中にもティーメディカル社の製品があるはずだ。
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