離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
気まずい思いをしながらも、出てくる料理がどれも上品でしかも味もたしかで、少し食べすぎてしまった。

なにやってるんだか。
おいしいものに目がないのも罪だ。


「そろそろ出ましょうか」
「はい」


ようやく終わった。

相手に嫌われて断ってもらうという計画は失敗に終わったようだ。

こうなったら、こちらからお断りする作戦に切り替えよう。

罪の意識が募るものの、私は竹内さんではないのだから仕方がない。


津田さんは最後まで紳士で、しっかりエスコートしてくれた。


「どうぞ」


味楽の数寄屋門の前に滑り込んできたタクシーに誘導されて、「本日はありがとうございました」と頭を下げる。


どう断ろうかと考えあぐねていたものの、まったくそんなタイミングがない。

名刺をもらったので連絡先はわかるし、お断りは竹内さんに任せてしまおう。

< 22 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop