離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
「お構いなく」


それから黒いふかふかのソファに座って待っていると、コーヒーとクッキーを出してくれた。


「どうぞ」
「ありがとうございます」


彼は私の隣に腰掛け、コーヒーを口にする。


「広すぎて落ち着かないです」
「住んでいればすぐに慣れるよ」


まるで私がここに住むような言い方をされて、戸惑いを隠せない。


「先ほど妻がどうとかとおっしゃっていましたが、あれは?」

「見合いしたんだし、結婚しよう」


平然とした顔でカップをソーサーに戻した津田さんは、顎がはずれそうになっている私に視線を送る。


「お見合いしたからといって結婚する必要はないですよね」

「そうだね。でも結婚したっておかしくない」


その通りで、ぐうの音(ね)も出ない。


「俺は月島さんが気に入ったんだ。結婚してほしい」


これはプロポーズなの?
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