離縁するつもりが、極上御曹司はお見合い妻を逃がさない
上品な女性の振りをしているつもりだったのに、早々にしてそうではないのがばれそうです。


「気分が悪くなったら遠慮なくおっしゃってください」


気遣いもできる人らしい。


「ありがとうございます。まだ大丈夫です」
「まだ……」


しまった。また余計なひと言を。

口元に手をやり笑いをこらえている様子の津田さんの姿を見て、いたたまれなくなる。

料理はおいしいけれど、早く帰りたい。


「それじゃあ、私もいいですか?」
「はいっ?」


津田さんが突然尋ねてくるけれど、なんの話?


「先ほどから足がしびれていて、足を崩しても?」
「それは大変。もちろんどうぞ」


まさかの質問に笑いそうになり、すんでのところでこらえた。


「いや、そこは笑っていただけると」
「えっ?……あはは」


彼がおかしそうに白い歯を見せるので、私もつられて笑ってしまう。

あれ?
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