エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「確かに上に行きたいとは思っていたよ。だがそれ以上に妻を傷つけたくない。そんなことで俺を脅そうとしても無駄だ」

真咲は衝撃を受けたように息をのみ、唇を噛みしめた。

「どうして……だって奥さんなんて愛していなかったでしょう? 須和さんの側にいるようになって一年以上経つけれど、あなたが大切にしいていたのはいつだって仕事だったじゃない!」

一哉は顔色を悪くする。

「私は真剣に仕事に取り組む須和さんを尊敬しているし、理想の人だと思っていた。それなのに最近は奥さんにかまけてばかり。あなたに合うのは同じ目線で語り前に進める私だわ。家柄だけが取り柄の妻じゃないでしょう? 目を覚ましてください!」

「妻を侮辱するな」

一夜が低い声を出したが、真咲は動じない。

「本当のことだわ。その家柄も今は力を失った。もう結婚している意味はないのだから早く別れて」

「なぜ君にそんな指図をされなくてはいけない? なにか勘違いしているようだが、俺は君をパートナーだと思ったことはない。当然妻と比較もしていない」

「嘘! いつも私がいると助かると言ってたじゃない」
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