エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

「妊娠しているかたしかめる前に、ハッキリさせておきたいことがあるんです」

「それは、いったいなんだ?」

彼が床にあぐらをかき、私に真っ直ぐな視線を向ける。

私の話を、朝比奈さんが信じてくれなかったらどうしようという不安が胸に広がる。けれど、お腹の子の父親が誰なのか、うやむやにしたままではいられない。

彼にすべてを語る覚悟を決めて口を開く。

「涼ちゃんと別れてすぐに朝比奈さんとひと晩過ごしてしまいましたけど、涼ちゃんとは……その……ずっと前からそういう行為はしていなくて……」

しどろもどろで説明をすると、思いがけず手をキュッと握られた。

「ああ、わかっている。アイツとは二カ月以上も会っていなかったんだろ?」

「はい。そうです」

マンションのエントランスで、涼ちゃんと交わした会話を覚えてくれていてよかったと安堵する。

「避妊しても妊娠を百パーセント防げるわけではないし、美桜さんが同時期にほかの男と関係をもつような愚かな人間じゃないとわかっている。お腹の子は間違いなく俺の子だ。だから結婚しよう」

出会って間もない私の話を朝比奈さんが信じてくれた瞬間、切羽詰まっていた気持ちが一気に緩むと同時に、突然のプロポーズに驚き言葉を失う。
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