エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
前回は彼と一緒に、お腹の子を育てていこうという思いを胸にプロポーズを受けた。でも今回は違う。
次期社長となる朝比奈さんが、安心して仕事に打ち込めるように支えたいという気持ちが胸に込み上げてくるのを実感した。
朝比奈さんとふたりで幸せになるという思いを胸に、結婚の意思を固める。しかし、いつまで経っても返事をしない私にしびれを切らしたように彼が口を開いた。
「もしかしたら、アイツのことが忘れられないのか?」
「アイツ?」
「バンドマンの元カレだ」
朝比奈さんが背筋を伸ばし、険しい表情でブラックパンツのポケットに手を入れる。
フラれたときは涙が止まらないくらい悲しかったのに、彼に言われるまで涼ちゃんのことは一ミリも思い出さなかったと気づく。
今、私が好きなのは朝比奈さんだけ。過去の恋愛を蒸し返されるのは、気分のいいものではない。
「涼ちゃんには、もう未練はありません」
元カレに対する思いをキッパリ口にしても、彼の眉間にはシワが寄ったまま。
「それなら、なぜ答えを焦らす?」
「別に焦らしていません。朝比奈さんがせっかちすぎるんじゃないですか?」