クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
聴覚が鳥の囀りを捉えたことにハッとして、俺は目を開けた。
途端に、身体のあちこちに鈍い痛みを感じて、顔をしかめる。
そして次の瞬間――。


「っ……!?」


弾かれたように飛び起きた。
自分の身体を見下ろしてから、サッと辺りに視線を走らせる。


俺は、ベッドに腰かけた中途半端な体勢のまま、転がるようにして寝ていた。
ベッドから、凛花の規則正しい寝息が聞こえる。
そして、窓にかかったカーテンの隙間からは、薄く白い光が射し込んでいる――。


しまった、俺としたことが……。
俺はギュッと目を瞑り、額に手を当てた。


凛花のそばから、離れがたい。
そんな気分になる自分を甘やかし、彼女の隣で眠りに落ちて、夜が明けてしまうとは、なんとも不甲斐ない。
とにかく、急いで仕事に戻らなければ。


自分を叱咤して、勢いよく立ち上がった。
昨夜俺を繋ぎ止めた凛花の手が、今度はスッと解ける。
俺は回れ右をして彼女を見つめ、無意識に眉尻を下げた。


――この手に繋がれたおかげで、思いのほかぐっすり眠れた。
相変わらず穏やかで可愛い寝顔に、俺は吸い寄せられるように身体を屈めた。


「凛花……」


寝乱れた髪を退かし、薄く開いた唇にキスをした。


「……ん。ん……」


彼女の掠れた寝言を聞きながら、ゆっくりと背を起こして……。


「……っ!」


予期せずまっすぐ目が合い、俺は身体を硬直させた。
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