クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
電話は、昨夜依頼したアーロン・リーの人物照会に対する、インターポールの部下からの回答だった。
国枝部長には先に同じ報告をしてあると聞いて、俺は無意識に眉をひそめた。
ならば今頃、日本の警視庁捜査二課は部長命令を受け、アーロンと藤崎六郎の接点探しを開始していることだろう。
礼を言って通話を終えると、まるでそれを待ち構えていたかのようなタイミングで、別の電話が入った。
相手は捜査二課の部下で、藤崎六郎の海外渡航記録も含めて、徹底的に洗い出すという報告だった。
皆、長期化した捜査が進展する兆しに、躍起になっている。
接点を見つけ出すまで、夜通しで調べるだろう。
その捜査開始に、管理官の俺が家でのうのうと寝ていては、士気が下がる。
「……わかった」
俺は短く答えた。
「俺もすぐそちらに向かう。だがすまない。三十分待ってもらえるか。今帰宅したばかりで……風呂に入ろうとしていたところなんだ」
バスルームに向かって廊下を歩きながら、面を伏せる。
部下の挨拶を最後に電話を終え、肩を落として溜め息をつき――。
「……くそっ」
俺は廊下の壁に凭れ、天井を仰いだ。
国枝部長には先に同じ報告をしてあると聞いて、俺は無意識に眉をひそめた。
ならば今頃、日本の警視庁捜査二課は部長命令を受け、アーロンと藤崎六郎の接点探しを開始していることだろう。
礼を言って通話を終えると、まるでそれを待ち構えていたかのようなタイミングで、別の電話が入った。
相手は捜査二課の部下で、藤崎六郎の海外渡航記録も含めて、徹底的に洗い出すという報告だった。
皆、長期化した捜査が進展する兆しに、躍起になっている。
接点を見つけ出すまで、夜通しで調べるだろう。
その捜査開始に、管理官の俺が家でのうのうと寝ていては、士気が下がる。
「……わかった」
俺は短く答えた。
「俺もすぐそちらに向かう。だがすまない。三十分待ってもらえるか。今帰宅したばかりで……風呂に入ろうとしていたところなんだ」
バスルームに向かって廊下を歩きながら、面を伏せる。
部下の挨拶を最後に電話を終え、肩を落として溜め息をつき――。
「……くそっ」
俺は廊下の壁に凭れ、天井を仰いだ。