初恋幼馴染みに求婚されました
だがチョコレートティに口を付ける者はいない。
正君への尋問が始まった。

「突然海外に行くとだけメッセージを残して何をしていたの……?一体いつ帰国したの?」

私も彼が何をしていたのかは気になっていた。

「2か月前に帰国したよ」

帰国時期しか答えないのが、理由ではないだろうか。

私との結婚が嫌で逃げ出したなんて、ここでは口が裂けても言えないはずだから。

「そんなに前に……どこに泊まっていたのよ?」

「ホテルや友人の家だよ」

「お友達って誰?」

「大学の時の友人」

「お母さんが知っている人?男の子?女の子?」

「母さんの知らない男友達だよ」

そんな会話をしている内に、父が義父を連れて帰ってきた。
母が知らせたためだ。

義父は義母と同じように正君に怒りを表したものの、今度は父がそれを制す。
だが、義父の怒りはおさまらず、正君に説教を始めた。

少し落ち着いてもらいたいため、そっとその場を離れキッチンで2人分のお茶を淹れる。

トレイに乗せたそれらをテーブルへと運ぶために足を進めたその時だ、宗君が突然居間に現れた。
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