悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました【2】
太ももの間に足を差し込まれ、体をよじらせようとも動きを封じられる。長身の彼にすっぽり抱きしめられて幸福感が胸に込み上げた。
お互いのことしか見えなくなって、やがてどちらからともなく口付ける。まるでこのまま食べられてしまいそうだ。
何度も角度を変えて重ねられるキスはだんだんと長く激しくなり、吐息が熱くなっていく。ラヴィス様の口付けはいつも気持ちよくて、思考がとろけて夢中になる。
なにも不安になる必要はなかった。今までもこれからも、私の側には大好きな彼がいてくれる。
『私より一秒でも長く生きてください』
『愚かな子兎め。お前を残して死んでたまるか』
古城で交わした会話が蘇る。王家の病の呪いは解き放たれた。もう血に怯えることはない。
「……ラヴィス様、愛しています……」
返事のキスは砂糖菓子のように甘くて、言葉にせずとも清らかな愛情が伝わってきた。
誰よりも強くて優しい彼と、この先ずっと一緒にいたい。
ふたりきりのときだけ呼ぶ愛称がいつしか当たり前になるまで、幸せな夜を重ねていくんだ。