悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました【2】
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 ダイニングバーで情報を仕入れた翌日、宿屋で一晩をあかした双子は、町の中心に建つ屋敷の前にいた。

 仕事を終えた夜に屋敷を訪ねても追い返されてしまったため、日中を狙って再び来たのである。


「バロッグ家には大旦那がいて、全ての経営権を握っているって話だったよな」

「ああ、そうだね。ここには使用人しかいないから、バロッグさんと呼んでも伝わるみたいだよ」


 先陣を切って扉に進み呼び鈴を鳴らすヴォレンスの後ろで、シルヴァンは注意深く屋敷を観察していた。

 やがて、大きな扉が開いて若いメイドが顔を出す。


「あの、うちになにかご用ですか?」

「突然お訪ねしてすみません。旅の者ですが、バロッグさんはいらっしゃいますか? お話がしたくて」


 すると、彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。


「旦那様は鉱山に向かいましたので不在です……でも、その、言いにくいのですが、旅の方にはお会いにならないと思いますよ」

「えっ、なぜですか?」

「ここだけの話……旦那様は気分屋で、人の好き嫌いが激しいですから。お忙しいですし、お仕事の方としか会わないんです」


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