幼馴染は分からない【完】
「最近、仲良いけど、あいつのこと好きなんだ?」
試すような言葉。
「…ううん、そんなんじゃないよ。」
私が好きなのはれんだけ。
どれだけ冷たくされても、れんしか好きになれない。
「あっそ。じゃあなんで泣いてた?」
「それは、」
言葉に困る。
本当のことを言うわけにも行かないし、咄嗟に上手な嘘をつくことも出来なくて困惑する。
「あいつには話せるのに、俺には話せないんだな。」
タイムオーバーだった。
俯いていた視線をあげると、ひどく悲しそうなれんの顔があった。
感情が読めない。私のことが嫌いなんでしょ?
…胸が痛い。
「れ、」
「もういい。」
イラついた様子で、そう吐き捨てて自分の家に入って行ってしまった。
…また怒らせてしまった。
またさらに嫌われてしまった。