初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
「あれ... ...。ない」柚歩は悲しい気持ちを吹っ飛ばして真っ青になった。ネックレスがなくなっていた。
柚歩はブラウスの中など机のまわりなど探し続けていた。もしかしたらなくしたとしたら、沢城さんとぶつかったあの時しかない... ...
柚歩は今すぐにでも探しに行きたかったけど、主任もいない今、ここを離れるわけにはいかないと思いとどまった。終業時間までかなり時間があったからかなり気がかりではあった。しょうがなく終了の時間になると慌ててはエントランスにある化粧室や近くを探した。
皆、見て見ないふりをしてちょうど帰る時間だったこともあり、はいつくばって必死に何かをさがしている柚歩はかなり目立っていたとおもう。普段から柚歩のこといないものとして扱ってる人たちなので誰も足を止めて声をかけず、遠回しにヒソヒソ言いながら見ていた。その時、要が取引先から帰ってきて柚歩の姿を見て声をかけた。

「あれ、葉山。こんなところで何してるんだ。何か探し物か?それなら、俺も手伝おうか?」
「いいです。大丈夫ですから。行ってください」
要が屈もうとしたら、柚歩がそれを制した。柚歩は要のことをエレベーター前まで押した。
「わかった。葉山もほどほどにしろよな」要はエレベーターに乗って上の階に上がっていった。

柚歩は必死に探していたけど、見つからなかった。
心が折れそうになりながらも琉生から、もらったネックレスを探した。「琉生さん... ...」柚歩はあの頃のことを思い出していた。

柚歩にとってあのネックレスは宝物だった。あれがあったから頑張れた。思い出もたくさんあったと思いながら...
柚歩はその場に座り込んで泣いた。琉生さんに申し訳ない気持ちが大きくなっていた。でも、周りの人達はそんなに気にしていない様子で、気になってはいるものの泣いている柚歩に声かけるものは誰もいなかった。
柚歩は、立ち上がってトボトボと帰り支度するためにロッカールームにカバンを取りに行った。

その様子をほくそ笑みながら麗華が見ていた。手にはあのネックレスが握られていた。次の日も朝早くさがしたけど見つからず、諦めかけていた。

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