初めての恋ー孤独な私を見つけてくれたー
ひかれあう心ーペリドットー
柚歩は琉生を信じると決めた。でも、あれからなかなか連絡が取れなくなって心配していた。
こちらから連絡してもなかなか連絡がとれない日々が続いた。
やっと連絡がついたものの忙しいのか用件だけ言って電話を切る日々が続いた。

琉生はその頃焦っていた。優海の両親や自分の親になかなかわかってもらえず、歯がゆい日々を送っていた。

弟の久遠にも相談した。親たちよりも説得が難しかったのは優海だった。琉生は優海を自宅に来てもらった。
「琉生君、どうしたの?急に呼び出すなんて...」「優海に話があって...。率直に話すけど、俺には以前から好きな人がいるんだ。
俺は婚約をしたつもりはなかった。周りにそういわれて否定しなかった俺も悪いけど、俺はお前のこと、妹しか思えない」

ずっと下を向いていた優海がゆっくりと話し始めた。

「私はこのまま婚約者のままでいずれは結婚出来たらと思っていた。小さい頃から琉生君と将来結婚するんだよって聞かされていたし、私もそうしたいと思っていた。それが当たり前だと思っていたから。私じゃ琉生君のとなりに立てないの?... ....でも、この間私を助けてくれた人の顔を見た時の琉生君の表情が今までと全然違って私には見せてくれたことのない表情だったので、琉生君の好きな人なんだと、一目でわかった」「実は、彼女は俺が初めて恋した人だ。初めて会った時は彼女はまだ、高校生だったし俺も自分の気持ちに気付かなかった。でも、彼女は俺の心に強くしみついていった。彼女の話す言葉一つ一つが俺の心を動かせてくれた。本当に大切な人なんだ。だから、彼女を傷つけたくないんだ。俺にとって彼女以外の人はありえないんだ」

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