魔女のガールズトーク・わがままな純愛（おまけの小話）
ユリアは、机の上にある儀式手順の書類を、手早く片づけながら

「ああ、昨日もおさぼりで。
今日は、お辞儀の仕方を、
ちゃんと覚えるって言ったのに・・」

＜まったく困った生徒＞と、いうように、ため息をついた。

「そのウェディングドレス・・
とってもきれいだ」
ケイレブが、小さな声で言った。

ユリアはスカートを少しつまんで、金糸と銀糸のほどこされて
いる刺繍をなでた。

ところどころ、小さなパールも、たくさん縫い止められている。
動くと、照明の反射で光の粒の
ように、キラキラ光る。

「ええ、本当に豪華で、すばらしいわ。
だから裾さばきをきちんとしないと、階段が怖いから。
練習をしておかないと。

それに、お辞儀の回数も多いし、
ティアラも重いの」

そう言って、
ユリアが立ち上がろうとした。
その瞬間だった。

ケイレブは、いきなりユリアの
手首をつかんだ。

ユリアのエメラルドの瞳が細められ、困惑気に
「ケイレブ？」

ケイレブは独り言のように
「俺の・・花嫁だ」

ユリアの両手首をつかむと、
そばのベッドに、押し倒した。

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