魔女のガールズトーク・わがままな純愛（おまけの小話）

拒否はしていないが。

フェンネル領地の発展のために、
彼女にとって最善の策が、俺との共同経営。

俺を愛しているから・・・
という訳ではない。

そばにいるだけでいいと、思っていたが・・
それでも苦しい・・・

これ以上、美しい花嫁の姿を見るのは、耐えられない。

ケイレブは静かに、部屋から出て、速足で王宮の裏庭に向かった。

鼻の奥がツーーーンとして、
涙が出て来る。

こんなに愛しているのに・・・
彼女からの愛は・・・
期待できない。

そのエメラルドの瞳は、
俺を通り越して、フェンネル領だけを見ている。

ケイレブは人影のない、
雑木林の大きな木の元に座り込んだ。
そして、顔を手で覆った。

「おいっ、何やってんだよ！！」
ケイレブがその声に、顔を上げると

レリアが、ピンクのドレスの裾をひろげて、ふんわりとケイレブの前に、しゃがんでいる。

「ケイレブ？泣いてんのか？」