不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

「当時、私はまだ大学生で、羽田空港のカフェでアルバイトをしていました。そして、彼の職業は旅客機のパイロット。……彼からの告白で付き合い始めましたが、ずっと遊ばれてるんだと思っていたんです」

 年の差や身分差があるとはそういうことだったのか。

 最も身近にいるパイロット、夕飛の言動を見る限り、パイロットだからといってそんなに立派な人間というわけではない気がするが、当時大学生だった美鶴さんが不安になる気持ちは十分理解できる。

「それでも、私は彼が好きで……一年くらいお付き合いが続いたある日、婚約指輪を渡されてプロポーズされたんです。学生の身だったので返事は待ってと伝えましたが、指輪は持っていてほしいと半ば強引に押しつけられました。……彼の前では困った顔をしましたが、本心では嬉しかった」

 遊ばれていると思い込んでいた相手からの、本気のプロポーズ。そんな思い出の指輪が、あの火災で燃えてしまった……。彼女の心境を想像すると、胸が締めつけられる。

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