不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

「おかえり。早かったな」

 斗馬さんはダイニングで食事中だった。帰宅途中に買ったか、あるいは配達してもらったか、高級そうな和食弁当に箸をつけている。

「ええ。直前で何人か都合が悪くなって、結局お開きになってしまって。斗馬さんこそ早いですね」

 食事もせずに帰ってきたのだから、早くて当たり前である。あまり深く突っ込まれないよう話題を逸らしながら、キッチンに移動して手を洗う。

「食事会だというから招待を受けたのに、連れていかれた先が女性から接待を受けるような店でな。もう二度と千帆を悲しませたくない俺としては一刻早く店を出たくて、仕事の話だけさっさと済ませて帰ってきたんだ」

 キャバクラやその類の店に連れて行かれたということみたいだ。斗馬さんのうんざりした様子を見る限り、あまりその手の店は得意じゃないらしい。

「さすがにお仕事でそういうお店に行く場合は、目くじらを立てたりしませんよ」
「だとしても、俺が嫌だったんだよ。基本的に千帆以外の女性は苦手だしな」

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