公爵の娘と墓守りの青年
「?!」
違う声に驚き、ネレヴェーユは勢いよく声がする方へ顔を向けた。
二つに結んだ長い茶色の髪、青い目の旅装束姿の少女がにこにことカイ達を見ていた。
「ついでに言うと、ちゃんと調べられたことで、カイや貴女の存在が露呈してしまうことになるから、もっと大変ですよ」
ネレヴェーユに笑いかけ、少女は肩に提げていた鞄を地面に下ろす。
「あの……貴女は一体? どうして、カイや私のことを知っているのですか?」
ネレヴェーユが警戒しながら尋ねると、少女は何度も目を瞬きした。
「え? カイに聞いてません?」
「ええ。聞いてませんけど……」
ゆっくりとネレヴェーユは頷くと、静かにしているカイに目を向けた。少女も一緒にカイに目を向ける。
「……えーと、どうして、今来ちゃうのかな。君は」
困ったように頭を掻き、カイは息を吐いた。
「そりゃあ、君がや〜っと女神様に会えたからお祝いに来たに決まってるじゃないか」
ニヤニヤと笑いながら、少女は指でカイの怪我をしている左の二の腕を突いた。