公爵の娘と墓守りの青年
にっこりと笑顔で首を左右に振り、リフィーアは告げた。
「ありがとう。今日ゆっくり休んで、大丈夫そうだったら、また明日、おいで」
穏やかに口元に笑みを浮かべ、カイは墓地と都を隔てる門の前で立ち止まる。
「はい! また明日行きますね、カイさん」
ぺこりとお辞儀をして、リフィーアは門をくぐり、自分の家へ続く道を歩いていった。
その後ろ姿をしばらくの間、カイは見つめた。
「……言わないのが一番いいけど、言って自覚してもらった方がいいのかな。リゼル君、フィオナちゃん。君達ならどうするのかな」
まだ日が高い空を見つめ、カイは小さく呟いた。
「ずっとさっきから言いたかったんだけど、いいかな?」
目の前に胡座をかいて座る墓守りをじっと見つめ、エマイユは尋ねた。
「ん? 何だい、エマイユちゃん」
にこにこと笑いながら、カイはエマイユを見た。
「……魔力、使ったでしょ?」
眉間に皺を寄せ、エマイユは尋ねた。
エマイユの言葉に、ネレヴェーユが驚きの表情で隣に座る恋人を見た。
「……何のことかな? 確かに魔力はあるけど、ほとんど使わないよ」
尚もにこやかに笑い、カイは答えた。
「……少しあったけどその沈黙は何? それと、右の水色の目にうっすら紋様があるよ。それも解呪と帰還の紋様」