公爵の娘と墓守りの青年
「……いやぁ、危うくあちらの世界にいる知り合いの先生と話し込むところだったよ」
首を左右に振りながら、カイは苦笑した。首を振ると、こきこきと渇いた音が鳴った。
「本当にごめんなさい、カイ。怪我……ない?」
しゅんと俯いて、女性は謝った。
「大丈夫だよ、頑丈だから」
小さく笑みを浮かべ、カイは頷いた。
「良かった……」
安堵の息を洩らし、女性は胸を撫で下ろした。
「あの、カイさん。こちらの方はお知り合いですか?」
一旦、話が終わったと感じたリフィーアは、カイに尋ねた。
「知り合いというか……それ以上だね」
リフィーアの問いに笑顔で答えたカイの言葉に、みるみる内に女性の顔が赤くなった。
「そ、それ以上って、どのくらいですか?!」
興味津々にリフィーアはカイににじり寄った。
更に女性の顔が赤くなった。
「どのくらいって……恋人、かな?」
にじり寄るリフィーアに、困ったようにカイは頬を掻く。
カイの言葉に、もっと女性の顔が赤くなった。
「恋人?! 恋人って、この前、お話ししていた遠くにいるって言ってた時の……?」
目を輝かせて、リフィーアは更にカイににじり寄った。カイの横で女性の顔がこれ以上はないくらいに赤くなった。まるで、林檎のようだ。