BeAST
「いいや?パートナーって言っただけだ。女になるとは言ってない」
「え、詐欺師?」
ふ、はは、と声を出して笑ってしまう。
「俺はこれから、鳳灯織になる。俺の意思で、それを選んでくる。そんで、柊吾にも丞さんのこと話してくる。環にも謝んねえとだし、学校のやつらにも謝んねえとな。それが終わってやっと、丞さんの番」
ええ、と不満そうな顔をする丞さん。
「俺は、丞さんに見合う女にならなきゃいけねえの。それとも、待ってらんなくて他の女のとこ行っちまう?」
するりと首に腕を巻き付ける。
「なあ、" キスしやすい身長 "じゃねえ?」
ニヤァ、と笑えば、ムスッとした顔をする丞さん。
「……煽るの、手慣れてんなぁ」
「はは、悪ぃ。俺、かなり浮かれてる」
額を丞さんの額に付けてスリスリする。
「早く俺のもんにしてえな」
「……それ、俺のセリフなんだけど。女の子に言われる日が来るとは」
「俺の事、甘やかさねーで?ちゃんとしなきゃだから、俺。」
「いや、今かなり可愛いことしてるよね」
「へえ、俺、可愛いんだ」
顔を離してコテンと首を傾げれば、丞さんの眉間のシワが深くなる。
「言われなくてもちゃんと待ってるから、早く俺んとこ来なさい。」
うん、と頷いて丞さんから離れる。