BeAST
なんなんだよ!!!
「はぁ……皇、保健室行くぞ。」
「……」
少し驚いたような顔する皇。
「お前は確かに頭おかしい。けどその前にまず、その怪我どうにかすんぞ。早く来い」
「……あれ、喧嘩してたんじゃねえの?」
「怪我って。灯織が噛んだんじゃん」
楽しそうに笑った。
皇が。
「てめえ笑い事じゃねえからな。許してねえからな。」
「ん」
なんで嬉しそうなんだよ。
階段を何段飛ばしかして、俺に近寄ってくる皇。
「なあお前、灯織っていうのか」
柿谷が俺を見る。
が、すぐに視界が真っ暗になる。
「灯織、そいつの事見なくていい。」
ああ、皇の手か。
ってちげえ!!!
手をすぐに振り払う。
「触んじゃねえ。お前も俺を見るな」
「どっちも無理」
引き離す。
今はそれしかできん。
歩く俺の後ろを着いてくる皇。
「なあ、すげえベロ痛い」
「自業自得だ。噛み切って死ね」
情報過多だ。
そうじゃなくても、今傷心中だっての。
ガラッと保健室の扉を開ければ、耀介が居て。
「開け方強いよー。って、灯織、と皇くん」
グイッと皇の腕を前に引き、俺の前に立たせ、背中を蹴飛ばす。
「こいつの舌、どうにかしろ」
そう言ってバンッと扉を閉める。