7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…

「聖龍君は、翔次にそっくりだね」

 食卓でお茶を飲みながら疾風が言った。

「そうなのよ。でもね、本当に翔次がきていたのよ」

 シンクで荒物をしていた奏が振り向いて、ちょっと意味深にニコっと笑った。

「私の時と同じで、聖龍君に翔次が入って来たみたいなの。昨日はずっと、私の事を睨んでいたけど。さっき、思いきり言い合ったらスッキリしたみたいで。そのまま帰っちゃったみたいなの」
「え? 本当に? 」
「そうよ。声も翔次だったから、間違いないわ」
「そっか。俺も会いたかったな、翔次に」

 洗い物をしていた手を止めて、奏は疾風の向かい側に座った。

「歴史は繰り返されるのかしら…」
「え? 」

「私、一度死にかけて。貴方のお兄さんに生命エネルギーを分けてもらって生き返ることができたでしょう? それだからかな? 言えないものを感じたり、普通の日が聞こえな声まで聞こえるようになって…。聖龍君を見ていたら、ずっと翔次が泣いている声が聞こえていたの。…奏弥に手がかかって、翔次に構ってあげられなくて。…覚えている? 翔次が熱を出したのに、私達には何も言わなくて無理して学校に行った日の事」
「ああ、覚えているよ。どうして言わないのか聞いたけど、翔次は何も答えてくれなかったよ」

「後からお手伝いさんが話してくれたのだけど、あの日、翔次は熱を出して学校から帰って来たらしいの。それで、そのまま玄関で倒れていたらしいわ。その日は、お手伝いさんも一人しかいなくて気づくのが遅くなったようなの。気づいた時は、自分で立ちあがってフラフラになって部屋に戻って行っていたそうなの」
「そのことなら、私も後から聞いて。無性に腹が立ったから、その日にいたお手伝いに悪いけど辞めてもらったよ」

「うん。…聖龍君が、あんなに熱が高いのに一人でトイレに行って倒れている姿を見た時。翔次もきっと、苦しかったのに誰も助けてくれなくて寂しかったんだろうなって思ったわ。…病気の時って、心細いし。家に帰って来たのに、誰も助けてくれないなんて…。どうしてもっと、翔次に目を向けてあげられなかったのかって思って…」
「私は、翔次を信頼しすぎてしまってつい甘えていたと思うよ。…翔次は弟なのに、兄の奏弥よりもしっかりしていて。でも、本当は誰よりも繊細な子だったんだ」

 一息ついて、疾風はお茶を一口飲んだ。
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