7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「話しってなんなの? わざわざ兄貴が、こんな朝早くに尋ねてくるなんて。よほど重大な事なの? 」
「まず、これを受け取ってほしい」
白い封筒をテーブルの上に置いた奏弥。
なんだろう? と思いながら、翔次は封筒を受け取り中身を見た。
封筒の中身を見た翔次は、暫くじっと見つめたまま黙っていた。
奏弥はそんな翔次をそっと見ていた。
凜が2人に珈琲を用意して運んできた。
お客様用のカップに注がれた珈琲から、落ち着いたいい匂いが漂ってきてその場の雰囲気を和ませてくれるような気がした…。
話を聞いてはいけないと思った凜は、珈琲を置いてすぐに立ち去ろうとしたが、翔次がそっと凜に手を握ってきた。
どうしたの? と、驚いた凜に、翔次は隣に座っていてほしいとそっと手を引いて座らせた。
2人の話を聞いてもいいのだろうか?
そう思った凜だが、なんだか不安そうな翔次を見ていると傍にいてあげたいと思った。
「…翔次。…俺は、ずっと小さな頃から体が弱くてお前には迷惑ばかりかけて来た。そのせいで、お前が本当に苦しい時に何も力になってあげられなかった事をずっと後悔していた。…だから、今回はどうしても力になりたくて。きっと、よけいな事をするなと言われるのは分かっているが。俺には、このくらいしかできないから」
黙っていた翔次が、ゆっくりと視線を上げて奏弥を見た。
「なんで兄貴が知っているの? 誰にも話した事はないけど…」
「俺の事務所、駅前にあるだろう? 俺は、ずっと遠くからお前の事を見ていたよ。毎日元気で通勤してくる姿を見て安心していたが、ある日を境に随分とやつれて来たのが分かったから。ちょっと気にして、見ていたんだ。そうしたら、お前が病院い入って行くのを見てズキンと胸が痛んで来たから…」
「それだけじゃ…ないだろう? 」
メガネの奥でじっと見つめてくる翔次の目を見ると、奏弥はちょっと申し訳なさそうな目を浮かべた。
「…父さんが、お前のデスクのゴミ箱から薬の袋を見つけたと言ってきた。直接聞いても、きっとはぐらかされるし教えてくれないからと言って。俺に聞いてきたんだ。俺は、ずっと病気ばかりだったから薬の事には多少詳しいから調べてみた。…それで、重症だと感じたから。俺の担当医に相談したら、ドクターを紹介してくれたんだ…」
「ふーん…。そうゆう事だったんだ…」
封筒の中身を閉まって、翔次はそのまま奏弥に返した。