美しすぎる魔王様に助けられて異世界で偽装結婚? でも美容師としても働きますよ。
「え…ええと…魔法使いのロ…ロジャー・バルド様と、獣神のア…アラ…アラン?…ごめんなさい。皆さんのお名前が難しくて…失礼をお許しください。」
すると、ハッハッハと豪快に笑い出したのは、獣神のアラン・ドラゴンロイドだ。
「難しければ、魔法使いはロジャー、俺はアラン、魔族騎士はティム、吸血鬼はエディーで構わねえよ…なっ、お前たちも良いだろ?」
大きく溜息をついたのは魔法使いのロジャーだ。
「仕方ありませんね…魔界の者ではないので…、一応客人ですからね。魔王様にも大切な客として扱えと言われていますので…私も構いませんよ。」
「僕も良いよ…じゃあ君は、真由だね。」
笑顔で応えたのは魔族騎士のティムだ。
ティムの可愛い笑顔が眩しすぎるほどだった。
そしてエディーは、面倒くさそうに返事をする。
「俺は皆が良いなら、そんなことはどうでも構わぬ。」
「ロジャー様、アラン様、ティム様、エディー様、よろしくお願いします。」
4人はそれぞれに頷いた。
お互いの自己紹介が終わると、魔法使いのロジャーが話し始めた。
「本日の夜に開かれるパーティーに、そなたも参加するようにと魔王様からの伝言だぞ。ただし、俺達から離れるなよ、人間は珍しいので襲ってくる奴もいるかも知れないからな。」
「パーティー?…襲われる?…あの…意味がよく分からないのですか。」
「分からなくても良い。準備はアイリスに伝えておくからそのつもりでいろ。…それと、私達はこの魔王城で四天王と呼ばれている。魔王様に一番近い存在だ…私達と一緒に居るときは、そなたも堂々とした振る舞いをするように…覚えておきなさい。」
ロジャーは話を終えると、すぐに部屋から出て行こうとした。
すると、魔族騎士のティムは笑顔で手を振った。
「真由、また後でね…バイバーイ。」
ティムは本当に少年のような行動をする。
悪戯っ子のような可愛い表情だ。
私は意味が分からないが、部屋から出て行く4人に向かって深々とお辞儀をした。
なんとなく、そうしなければならないような気がしたのだ。