美しすぎる魔王様に助けられて異世界で偽装結婚? でも美容師としても働きますよ。
第6話 美容室OPEN

美容室の開店準備はティムが手伝ってくれたお陰で順調に進み、今日中にはオープンできそうだ。
すると、ティムは大きな紙に何かを書いて得意気に笑いを浮べた。

「真由、オープンする前から店頭にこれを貼りだそう。きっとこの貼り紙を見て皆が集まってくれるよ。」

ティムは美容室の宣伝を書いた紙を作ってくれたのだ。
しかも、オープン当日の今日と明日に限っては、町の硬貨1枚1プルンで髪を切れることにしたのだ。
1プルンはコーヒーを一杯飲むくらいの金額だ。
店の宣伝を兼ねた特別大サービスだ。

紙を貼り出して少しした頃、店の前をそっと覗いて見る。
すると、ティムの貼り紙効果は絶大だった。
貼り紙を貼り、1時間程度で既に人が並び、長い列を作り始めている。

店の準備は整った。
後はお客様をご案内するだけとなった。

「ティム、いろいろと手伝っていただき、ありがとうございます。…では、オープンしましょう。」

「かしこまり!真由、ドアを開けるよ。」

私は鏡の前で深く丁寧に、自分自身に向かいお辞儀をした。
これは美容師になりたての頃から続く、私の儀式みたいなものだった。

とうとう念願の美容室がオープンしたのだ。




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