美しすぎる魔王様に助けられて異世界で偽装結婚? でも美容師としても働きますよ。
嬉しい事にお客様の列は一日中続いたのだった。
店の外がすっかり暗くなった頃、やっと今日のお客様が一段落といったところだ。
オープン初日から沢山のお客様にご来店いただき、嬉しい疲れがとても心地よい。
私は店の開店の時と同様に、鏡に向かって深くお辞儀をした。
これも私が美容師になってから、ずっと続けて来た私の儀式だった。
今日も無事に仕事をさせて頂いたことに、感謝の気持ちを忘れたくないからなのだ。
「真由、お疲れ様!…今日来たお客様は、皆が笑顔で帰って行ったね…凄いよ!」
ティムは嬉しそうに話を続けた。
「驚いたのはお帰りの際に、次回のご予約をしてくださった方々が多数いるんだよ。既に大人気だね。」
確かに、次回の予約とは嬉しい話だけれど、恐らくその中にはティムにもう一度会いたくて予約をした方もいるのではないだろうか。
こんなに素敵で可愛い男性にエスコートされたら、私も予約してしまいそうだ。