男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
7章 エリザ、治療係として悩む
 あれから四日が過ぎた。

 ジークハルトの女性恐怖症に関して、半ばやけになって捨て身で検証してみた結果、エリザはふくれっ面でルディオに愚痴ることになった。

「――やっぱり、解せない」
「何が?」

 近衛騎士も利用する王宮のサロンの一室で、ルディオが、菓子をつまみながら問い返してきた。

 あの舞踏会をきっかけに、エリザは公爵家の〝専属医〟として認識された。

 翌日に王太子フィサリウスの許可が出たこともあり、ジークハルトの仕事先である王宮まで同行するようになった。

 彼の職場は、フィサリウスのいる王宮本殿だ。その執務室や鍛錬場を共に行き来しながら、エリザは彼が女性恐怖症を克服できるよう指導を続けている。女性への苦手意識を改善すべく、課題という名のミッションを課した。

 ジークハルトは今日、護衛騎士としてフィサリウスの茶会に参加してする。

 そこから逃げずに最後までいること、を課題に出した。
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