男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
「なんでそこで強がるかな? まぁいいけど。恐らく使われたのは、その『邪精霊の呪い』の系統だと思う。知り合いの大魔法使いに意見を求めてみたら、今でも形なんかが変わって恋占いなんたが残っているらしい」
「はぁ、歴史を知らないとこうも大変なことをしでかしてしまうんですねぇ……」
「占い本を片っ端から禁書にするわけにはいかないだろう? そもそも、効果があるなんて誰も思っていないわけなんだから」

 たまたま、成功してしまった『まじない』。

 行ったその誰かが魔力を持っていて、なおかつ手順が魔術同様に正確だった――。

「手順が大事になるんだね」
「そうですよ。もしかしたら呼吸のタイミングとか、使ったその子の波長とかがたまたま一致したんでしょうね」
「君の話はためになるな。もしかしたら大昔の魔法は、君の知る魔術ととても近い部分があるのかもしれない」

 たしかに、とエリサも思った。

 フィサリウスは『邪精霊の呪い』と言われている分類の中から、ジークハルトの状況と症状に該当しそうなものをさらに探ってみると言った。
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