ハライヤ!

水原知世side 廃校

◇◆◇◆

校舎から出ると、冷たい夜風が吹き付けてくる。
私は寒さに体を震わせながら、スマホから上司に電話をかけます。

「……はい。……はい。お祓いは無事完了しました。彼は、一人で肝試しに来るべきではありませんでしたね。穴に落ちた時、もしも近くに誰かがいたら、助けを呼べたかもしれないのに。そもそも心霊スポットに行くのですから、一人じゃ危険すぎますよ」

まあそんな事を言ってる私も、一人でこんな所に来たのですけどね。
この仕事は万年人手不足ですから、仕方がないです。

報告を済ませて通話を切ると、静まり返った校舎へ向き直り、静かに手を合わせます。

「杉本克也さん、どうか安らかに眠ってください」

心霊動画を配信していた本人が幽霊になるなんて笑えませんけど、ようやく成仏することができました。

さて、私ももう、帰って休むとしましょう。明日も学校がありますからね。

学業との両立は大変ですけど、迷える霊あらばどこへでも駆け付けます。

だって私は、祓い屋ですから。
< 4 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop