甘いお菓子のように
焼きもち -beniko side-

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「今週もやっと終わった」

わたしは、最寄駅に着くと電車から降りた。

今週は、中島さんが漫画セクションにいたため、彼女の仕事をわたしがする羽目になった。

今週はそのせいで忙しく帰りも22時を回ることが多かった。

だけど、今日は金曜日。

わたしは、なんとか20時に切り上げ、22時までにコンビニに行けるようにと調整していた。

なんとしても、進撃の小人のくじ引きをしたかったから。

いや、違う。

どうしても彼に会いたかったからだ。

店内に入ると若い声の女性で「いらっしゃいませー」と聞こえた。

わたしもつい癖で「いらっしゃいませー」と言いそうになったけど堪えた。

目的は決まっていたけど、とりあえず物色する振りをして関係のない惣菜系を見て回った。

するとレジの方から楽しそうな声が聞こえた。

「ねぇ、梶浦くん何言ってるの〜」

「違う、違う!間違えた」

先ほどの女性の声と梶浦くんの声が聞こえた。

わたしは気になって声のする方を向いた。

けど、ちょうど揚げ物の陳列が死角となって彼女たちが見えなかった。

若い子たちで盛り上がる声が聞こえて、わたしの心中は穏やかではなかった。

わたしは、恐る恐る進撃の小人のグッズが置いてある方に近づいた。

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