禁断の味はチョコレートのように


「そういえば橋本さん、会を正式に脱退したんですって」

ランチを利奈としていたらそんなことを聞かされ杏は箸を止める。

「川島さんから聞いた話だけど、橋本さん、杏と別れた後会には出てこなくなったんだって。
それで仕事で会った後飲みに言ったらしいだけど、もう杏との別れに懲りたから正式に脱退すると。
あの橋本を凹ませるなんて凄い女性だねって言ってたよ」

まさか会を辞めていたとは思わなかった。
きっとまた趣味の相手を見つけて楽しんでいると思っていたのに。

「奥さんに怒られたんですよ、きっと」

杏が何食わぬ顔で食事を再開し、利奈は笑う。

「違うわ、杏が彼を変えたのよ。
あんな男性の心に傷をつけるなんて女冥利に尽きるじゃ無い」

利奈は務めて楽しげに杏に言うと、杏は穏やかに笑う。

やはりあの経験は杏に大きな成長を促したのだな、とその笑顔を見て利奈は思った。

「私もそろそろ次のパートナー探ししなきゃ。
婚活パーティー、一緒に行く?」

「異業種交流会じゃなければ付き合いますよ」

悪戯な顔をした杏に利奈が、意地悪ねと笑った。

杏の胸元に、もうあのネックレスは無い。
チョコレートのように甘い時間は終わった。
だが、禁断の甘い味を忘れることは無いだろう。

杏は利奈とのたわいないおしゃべりをしながら、また前に進む為の計画を笑いながら話していた。

                                 END
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