聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
照れくささが残る、やや苦い表情で頷いた彼。

入学から丸2年。長年謎に包まれていたベールが剥がされた。

クールな彼とのギャップの差に目を見開くも、すぐさま「でも……」と否定の言葉が呟かれる。



「住んでたのは、ほんの数年で。前田さんと同じで、ここに来る前は九州……福岡に住んでたんだ」

「えええ!? そうなの!?」

「うん。うち、転勤族でさ。生まれは鹿児島だけど、育ちは全国って感じで」



視線が下がり、瞳に切なさと寂しさを感じて、胸が締めつけられる。



「昔、金子に出身地尋ねられたの、覚えてる?」

「うん」

「あの時、本当はどう答えていいのかわからなかったんだ。正直に話そうかとも思ったんだけど、まだ最初の頃だったし。気を遣わせて、変な空気にしたくなくて」



ポツリポツリと、ゲームの裏側が明かされていく。


純次くんの不注意により、清水くんの不戦勝で終わった心理ゲーム。

私も彼と同様、回答は地方のみで、詳しい場所までは明かさなかった。


けどそれは、両親と兄のアドバイスに従っただけで、決して地元が嫌いだからではない。

好きだからこそ、守りたかった。

住む人々、歴史、文化を、偏った見方でひとくくりにされたくなかったのだ。
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