聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
校舎を出たら、パラパラと小雨が降ってきた。

「じゃあまたね」と純次くんに手を振り、急ぎ足で帰路に就く。


大学時代から住んでいるという兄の家は、2階建ての木造アパート。

近くにはドラッグストアやスーパー、コンビニが立ち並んでいて、夜でも比較的明るい。


いつもは買い物も兼ねて立ち寄るのだが、傘がないため今回はスルー。

誤解のないよう言っておくと、降水確率30パーセントなら大丈夫だろうと判断した上での結果で、最初から忘れたわけではない。

予報だと今週末に梅雨入りするみたいだし、明日から折りたたみ傘を持っていくか。


外灯を頼りに歩くこと約20分。アパートに到着した。

足音が響かないようそっと階段を上って202号室へ向かい、新しく作ってもらった鍵を挿し込む。



「ただいま〜」



ドアを開けたら真っ暗だった。靴を脱ぎ、手探りで電気のスイッチを押す。


間取りは、リビングキッチン、お風呂とトイレ、洋室が2つ。5.5畳は兄の部屋で、5畳は私の部屋。

私が来る前は物置兼ゲストルームとして使っており、学生時代は毎月のように友人を泊めていたらしい。
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