聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
息継ぎを挟まず早口でそう言い、彼の腕を引っ張ってお店へ。

ディスプレイを変更中の店員さんに「こんにちは〜」とにこやかに挨拶して中に入る。


麦わら帽子、キャップ、つば広ハット。

手前の陳列棚には、今の時期にピッタリな通気性のいい素材の帽子がたくさん。

奥のワゴンにはシーズンを過ぎた秋冬用の帽子が置かれていて、赤文字でSALEと書かれた紙が貼ってあった。


とりあえず、マネキンがかぶっているのと同じキャップを試してみる。



「似合うね、前田さん」

「えへへ? そうかな? 清水くんもお似合いですよ♪」



全身鏡越しに褒め合う。

麻素材のベレー帽に、グレーのサマーニットと淡いブルーのデニムパンツ。そして黒縁眼鏡。

細身で長身なのも相まってか、ファッション雑誌から出てきたみたいに見える。



「かっこいい〜。ベレー帽も喜んでるだろうなぁ〜」

「喜ぶ?」

「うん! オシャレな人にかぶってもらえて嬉しい〜! って、ニコニコしてると思う!」
< 32 / 243 >

この作品をシェア

pagetop