年下男子は恋愛対象になりますか?
「いやいやいや……!今日は行かないからね!?」

美樹の目を見ただけで、冗談ではなく本気だと分かった。少しでも悩む素振りを見せたら、何がなんでも行こうと言われるに違いない。

さすがに昨日の今日で行けないよ。
すぐに連絡してくれたって思われてるだろうし、かなり期待させちゃうことになる。

「えー、残念。隼人君だっけ?何のバイトしてるの?」

「飲食店だって。サイトで見たけどオシャレなお店だった。ちょっと待って、情報送るから」

教えてもらったURLを転送すると、時間をかけてチェックし始めた。絶対に今日は行かないんだから。

「へー、良い感じじゃん。もうすぐ忙しくなるしその前に行ってみようよ。隼人君の顔を見てみたいし!」

好きなバンドの全国ツアーがもうすぐ始まるので、土日はしばらく予定が埋まっていた。美樹も私と同じで大ファン。

「いや、本当に無理だって。今日じゃなくても嫌」

「さては行く気ないな?」

「と、とりあえず今日は歌おう?それから考えるから」

逃げたのがバレたのか怪訝な表情をされたけど、好きな曲を片っ端から入れてその場を誤魔化した。
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