年下男子は恋愛対象になりますか?
【37】大丈夫
クリスマスまで2ヶ月を切った。
学園祭ライブと余興の練習、勇太と彩にプレゼントする動画の編集。そして結婚式。

今月も忙しいけど、クリスマスプレゼントに悩むことはないと思ってたのに。週末で予定がない日は隼人君に会いたいし。

「それでさ、何あげたら喜んでくれると思う?」

「隼人君なら何だって喜んでくれるって。定番のマフラーや手袋でいいじゃん。せっかくだし今日見に行く?しかし、プレゼントが被るとはねー」

今日は11月最初の金曜日。仕事が終わってから美樹と地元の百貨店に来ていた。

ネットでもお呼ばれドレスをチェックしてたんだけど、実店舗のも見てみようってなったから。今は買い物前の腹ごしらえ中。

「腕時計と一緒に渡してなくて良かったよ。渡してたら、隼人君に余計な気を遣わせちゃうとこだった」

「で、そのプレゼントはどうしたの?」

「一応家に持ち帰った。あ、もし隼人君に会ったとしてもこのことは言わないでよ?私と美樹だけの秘密ね」

「分かってるって」

美樹の分かってるほど信用出来ないものはない。でも、隼人君のバイト先に行った時以来会ってないっていうし大丈夫だよね。

この日にドレスや小物は全部揃えられたけど、プレゼントを選ぶ時間はなかった。隼人君に正直に話して探しに行くしかないかな。

「じゃあね、由夏。また明日」

「うん。バイバイ」

立体駐車場で美樹と別れて車に乗り込む。
隼人君はまだバイト中。

いつもなら金曜日は泊まりに行ってたけど、ドレス着てみて下さいって言われそうな気がして家に帰ることにした。

見せるとしたら髪型やメイクも完璧な時、つまり結婚式当日がいい。式はお昼からだから夜には会えるはず。
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