年下男子は恋愛対象になりますか?
良かれと思ってやったことが裏目に出た。
何だかんだ言われても、最後には許してくれると思ってた私が悪い。

「余計なこと、かぁ」

いつもの隼人君だったら言わない言葉。
理由があって言ったことだとしても悲しくなる。

さっきは明るく言ってみたけど、お風呂あがってからどう接すればいいんだろう。

湯船につかりながら数パターンを考えてみたものの、どうするべきなのか決めかねていた。このままだと確実にのぼせる。

「由夏さん、今ちょっといいですか」

「えっ!?あ、うん。ドア越しだったらいいけど」

突然の声に心臓がとまるかと思った。

「さっきは酷いこと言ってしまってすみませんでした。バイト中に嫌なことあって、それで由夏さんにあたってしまいました。ガキみたいなことしたと反省してます」

すりガラスの向こう側にいるので表情は見えない。でも、その声からは申し訳なさがヒシヒシと伝わってきた。

「そう、なんだ。私も悪かったしこの話は終わりにしよ?ね?」

髪の毛をタオルで拭きながら部屋に戻ると、隼人君に土下座された。想像していなかった出来事に目が丸くなる。

「本当にすみませんでした」

「え、ちょ、何!?やめてよ」

それでも頭をあげてくれない。
ショックだったけど、そこまでしてほしいなんて思ってないよ。

「それと、俺の為に色々買ってきてくれてありがとうございました」

「えっと……、隼人君は外に出ようとしてたし、私のこと心配してくれたんだよね?誰だってイライラしちゃうことあるし、本当に気にしてないから!だから、いつもみたいに髪の毛乾かしてほしいな」

ゆっくり頭をあげてくれたので精一杯笑ってみると、隼人君が悲しそうに笑った。

ドライヤーで髪の毛を乾かしてくれる手は、いつも以上に優しく感じた。
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