年下男子は恋愛対象になりますか?
「由夏さんの本心を知りたいんです」

悲しそうに笑いながら、そう言われた。
ここで誤魔化すのは違うのかもしれない。でも。

「……成人式に参加するって約束してくれる?」

「その言い方はズルいですよ。話の内容によるって言ったら、由夏さんは何も話してくれないんですよね?」

バレてる。
私の思ってること隼人君にはお見通し。
本心を知りたいって言われたけど、薄々感じているのかもしれない。

「約束、してくれる?」

「分かりました。約束します」

「絶対だよ?あとから参加しないって言うのはダメだからね?」

「はい」

ソファーに座り直すと隼人君も隣に座った。
口の中に甘さはもう残っていない。

「簡単に言うと……自分自身のことが嫌になってきたの」

「自分自身のことを、ですか?」

「うん。私ってこんなに重かったんだなって嫌になる。隼人君のこと信じてはいるんだけど、その、どうしても気になっちゃうっていうか。……誕生日プレゼントに貰っていたキーケースだって本当は」

隼人君が悲しそうな表情を浮かべている。
私なりに誠意を見せたつもりだけど、やっぱり言わない方が良かったんじゃ。

中途半端だと分かりつつも、これ以上は話さなかった。

隼人君が玄関に向かったと思ったら、すぐに戻ってきた。手にはさっき言ってしまったキーケースを持っている。

「これは翔と他の男友達が買ってくれた物です。由夏さんが思っているようなことは全くありません」

「うん、そうだよね。ごめんね」

これはウザかったよね。
笑いながら謝ってみたけど、隼人君の顔をちゃんと見れなくなって。

こんな自分が嫌になる。
少しでも早く、余裕のある大人にならなきゃ。

次の瞬間、隼人君がキーケースに付けている鍵を外していた。

「お願いだから外すのだけはやめて!何も気にしないで、今までと同じように使って」

「そのお願いはきけないです。もっと……、もっと早く言ってくださいよ。いや、気が付いてあげられなくてすみませんでした」

隼人君が謝る必要なんてないのに。
それに、翔君達にも悪すぎる。
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