年下男子は恋愛対象になりますか?
そして、約束当日の朝。
無事に電車内で隼人君と会えた私は、緊張で押し潰されそうになっていた。平静を装っているけど、笑い方がぎこちないかもしれない。

悩みに悩んで、服装はワンピースにした。カジュアルすぎなくて、きれいめの物。手土産に選んだのは地元のお菓子。

「うぅ、さっきよりも緊張してきた」

「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ」

隼人君の家までは、約三時間。
時間に余裕があるから新幹線は使わなかった。隼人君もいつも使わないって言ってたし。

「この緊張、隼人君にうつるかな?」

「どうでしょうね。由夏さん、着いたら起こしますから寝ていて大丈夫ですよ。俺に寄りかかって下さい」

寝不足なのがバレていたらしい。
右横に座っている隼人君が優しく笑った。お言葉に甘えて、隼人君の肩に頭を預ける。緊張しているとはいえ、電車の揺れが心地良くもあった。

「こうしてると、初めて会った日のこと思い出すね」

「そうですね。あの時は迷惑かけてすみませんでした」

「ううん」

告白された駅までは、まだ距離がある。
あの時と違うことをボンヤリと考えていた。

ライブ帰りじゃないこと。
隼人君が私に寄りかかっていないこと。
お揃いの指輪と、色違いの腕時計を身に付けていること。
隼人君と付き合っていること。

「あの時は、年下の彼氏が出来るなんて思わなかったな。色々なことが重なって今があるんだよね」

「由夏さんに出会えて良かったです」

「私も」

告白された駅に着いたら、私の思いを改めて伝えてみよう。“隼人君のこと大好きだよ。こんな私だけど、これからもよろしくね”って。

帰り道、同じ場所で“ずっとずっと大好きです”って言われることを、この時の私はまだ知らなかった。

ずっと一緒にいようね。



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