愛人~アイレン~
貴方と暮らしたい__
□□□


2ヶ月後。


生理が来ない。
そこで、私が向かったのは薬局だった。妊娠検査薬を手に取りレジに向かうと会計を済ます。


もしかしたら__


希望に胸を膨らませ、妊娠検査薬を使った結果私のお腹の中には赤ちゃんが居た。


ずっと憧れていたお母さんになれる。


諦めていた夢が叶い、1人盛り上がっていた。
直ぐに、真司にメッセージを送る。


凄く喜んで、「俺も父親になるんだなぁ」なんてしみじみしていた。


「幸」
「ん?」
「男の子かな?女の子かな?」
「私は女の子がいいな」


何の変哲もない幸せな会話。
それなのに、真司に対しイライラするのは何でだろう__


きっと我慢し過ぎたんだ。


結婚して私が太ったら、冷たくなった真司。


それだけで分かる。
真司と私は運命の恋じゃ無かった。


それが、分かってしまった以上は前みたいに真司を愛する事が出来ない。


部屋に一人籠ってスマホを弄る。


メッセージを送った相手は、私好みの顔をした年下の男の子。


内容は旦那の愚痴。


通話しないかと誘われ、男の子の電話を鳴らした。


私の内部は、大好きだった真司の愚痴でパンパンだ。
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