砂浜に描いたうたかたの夢
「……それ、SNSに載せるの?」



撮った写真を確認していると、先程まで笑顔だった凪くんが神妙な面持ちで尋ねてきた。



「しないよ。最近は宿題に集中するためにやめてるから」

「そう……」



安堵したような反応を見せるも、表情には影が落ちたまま。

どうしたんだろう……? さっきまで楽しそうに笑ってたのに。落差激しくない?



「どこか具合悪い?」

「あぁいや。ファンにバレそうになった時のことを思い出して」



そうだった。凪くんは以前、このショッピングモールでファンと鉢合わせちゃったんだった。

笑顔が消えるくらい、深刻な顔になるということは……。



「もしかして……その現場って、ここ?」

「……うん。ちょうど一花ちゃんが座ってる場所。そこで写真撮ってSNSに載せたら、女の子2人組に声をかけられたんだ」



恐る恐る尋ねてみたら、まさかのビンゴ。

ってことは、私、バレそうになった時の状況を丸々再現してたの⁉

彼のアカウントにアクセスし、当時の投稿写真を元に詳しく話を聞かせてもらう。



「あっ、これだよ」
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