砂浜に描いたうたかたの夢
「それより、二花さんの本名、一花なんですね」
「あっ、はい。生まれた時間がゾロ目なので、全部同じ数字にしちゃおうと思って」
落ち込んでいると、気を利かせて話を逸らしてくれた。
「フウトさんの本名はなんですか?」
「ナギ。漢字だと風に止まる。フウトはその字が由来」
空に書いて説明する彼の指先を眺める。
凪は穏やかな海って意味だっけ。まさに、名は体を表す。物腰が柔らかくて優しいフウトさんそのものだ。
「素敵な名前ですね。どっちで呼んだらいいですか?」
「そんなの……本名に決まってるでしょ。ウシミツニャンコちゃんと一花ちゃん、どっちで呼ばれたい?」
「っ……!」
華麗な返しに思わず噴き出しそうになった。
そう言われると本名一択ですけど、そこはユーザー名じゃなくて二花じゃない⁉
「……一花でお願いします」
「了解。お互い年も近いし、さん付けなしで呼ばない? 敬語も外してさ。って、もう外してるけど」
「はい。じゃあ凪くんって呼びますね。あっ、呼ぶね」
「うん。よろしくね、一花ちゃん」
「あっ、はい。生まれた時間がゾロ目なので、全部同じ数字にしちゃおうと思って」
落ち込んでいると、気を利かせて話を逸らしてくれた。
「フウトさんの本名はなんですか?」
「ナギ。漢字だと風に止まる。フウトはその字が由来」
空に書いて説明する彼の指先を眺める。
凪は穏やかな海って意味だっけ。まさに、名は体を表す。物腰が柔らかくて優しいフウトさんそのものだ。
「素敵な名前ですね。どっちで呼んだらいいですか?」
「そんなの……本名に決まってるでしょ。ウシミツニャンコちゃんと一花ちゃん、どっちで呼ばれたい?」
「っ……!」
華麗な返しに思わず噴き出しそうになった。
そう言われると本名一択ですけど、そこはユーザー名じゃなくて二花じゃない⁉
「……一花でお願いします」
「了解。お互い年も近いし、さん付けなしで呼ばない? 敬語も外してさ。って、もう外してるけど」
「はい。じゃあ凪くんって呼びますね。あっ、呼ぶね」
「うん。よろしくね、一花ちゃん」