砂浜に描いたうたかたの夢
もう少し一緒にいたかったな……。


外出するのは祖父母だけなので、家に誰もいないわけではない。
しかし、曾祖母のお世話に慣れていないため、人手が必要。それに加え、ジョニーだっている。

宿題も大事だけど、2人に任せっぱなしはできない。



「……明日も会う?」

「えっ?」



リュックサックを背負って帰る準備をしていると、彼が唐突に口を開いた。



「いいんですか⁉ 忙しいんじゃ……」

「大丈夫。夏休み中はずっとこっちにいるし、近所だから毎日会えるよ」



名残惜しさから一転、嬉しさが込み上げる。

嘘……直接会えただけでも奇跡なのに、毎日会えるの⁉



「じゃあ、夕方4時頃はどうですか?」

「4時ね、分かった。どんな絵描いたか見たいから、絵日記も持ってきてくれない?」

「はい! もちろんです!」



興奮のあまり、タメ語を忘れて敬語を連発。


これ、妄想でも白昼夢でもなく、紛れもない現実なんだよね⁉ やばい、奇跡が連鎖しまくってるよ……!

約束を交わした後、スキップしながら帰路に就いたのだった。
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