彦星さまは会いたくてたまらない
午後の授業が、全て終わった。
やっとこの時間が来たよ。
今からはウキウキな、部活タイム。
と言っても
部活って言葉は使っちゃダメか。
メンバーが2人だけの
天文同好会だしね。
教室の自分の席から、立ち上がった私。
カバンを肩にかけた時
もう一人の同好会メンバーが
私の前にやってきた。
「衣織ちゃん、ごめん」
手のひらを合わせ
頭を深く下げている。
「凛空くん、どうしたの?」
そんなに
申し訳なさそうな声を出して。