猛毒蟻(ヒアリ)
第2話
7月19日の朝8時頃のことであった。

きよひこがよしえに対して強烈な暴力をふるって大ケガを負わせたこと…

きよひこが学校の先生をやめると言い出したこと…

それに加えて、みちるが強烈なレイプの被害を受けてボロボロに傷ついた…

そのまた上に、きよひことよしえの夫婦関係が険悪になった。

きよひこの両親は、犬山で暮らしているきよひこの姉夫婦に電話をして助けを求めた。

ことの次第を聞いたきよひこの姉夫婦は、大急ぎで犬山から熱田の家へやって来た。

きよひこの家のきよひこの家族たちが暮らしている住居の居間にて…

居間には、よしえときよひこときよひこの両親ときよひこの姉夫婦がいて、話し合いをしていた。

きよひこの姉は、顔に大きなバンソウコウを貼っていて痛々しい姿になっているよしえを見たあと、両親ときよひこにものすごくあつかましい声で言うた。

「おとーちゃん!!これ以上きよひこを甘やかさないでよ!!きよひこは気にいらないことがあればところかまわずに暴れまわる性格だと言うことをわかっているのに、なんで結婚させたのよ!!」
「おい、そんなに怒るなよ…おとーちゃんは今回の一件でそうとうしんどい思いをしているのだよぉ…」
「おとーちゃん!!」

きよひこの姉の言葉に対して、きよひこの母親はものすごくつらい声で言うた。

「(きよひこの姉)、どうしておとーちゃんばかりをせめるのよぉ…おとーちゃんは苦しんでいるのよ!!」
「おかーちゃんは口出ししないでよ!!アタシはおとーちゃんに言うてるのよ!!おとーちゃん!!」
「おい、待ってくれよぉ…きよひこの結婚のどういうところに不満があるのだ…」
「ええ!!不満があるわよ!!今から10年前にきよひこが結婚したいとおとーちゃんとおかーちゃんに言うた時に原因があるのよ!!どうしてあの時きよひこに待ったをかけたのよ!?」
「あの時は、きよひこに待ってくれと言うただけや!!」
「おとーちゃんとおかーちゃんはきよひこにどうしてほしかったのよ!?」

きよひこの姉の言葉に対して、きよひこの母親は泣きそうな声で言うた。

「やみくもに動いたら失敗するから止めたのよ…」
「それはおとーちゃんとおかーちゃんのユージューフダンが原因でしょ…連れ子がいるよしえさんを選んだから大失敗したのがまだ分からないのかしらねぇ〜」
「だから育児と介護の負担を減らすためによしえさんをきよひこの結婚相手として選んだのよ…」
「見苦しいいいわけを言わないでよ!!アタシは、最初(はなっ)からよしえさんのことは気に入らなかった…よしえさん…ううん、よしえはうちのことをボロクソにグロウしたのよ!!」
「よしえさんは、そんな悪い人じゃないわよ…」
「そんな言葉は信用できない!!…おかーちゃん!!この際だから言わせてもらうけれど、よしえのせいでともえとたけひこがギセイになったのよ!!どうしてくれんのよ!!」

きよひこの姉はこう言うた後、よしえに対してより強烈な文言で攻撃した。

きよひこの両親がきよひこの姉にどうしてよしえにきつい言葉で攻撃するのかと言うた。

そしたらきよひこの姉は、平手打ちでよしえの顔を激しく叩いた。

叩かれたよしえは、ほほが赤紫色に腫れた。

「(きよひこの姉)!!」
「おかーちゃんは口出ししないで!!」
「どうしてよしえさんの顔を叩くのよ!!」
「よしえがアタシたち家族をグロウするだけグロウしたから仕返しよ!!もういいわよ!!よしえさんがかわいいかわいいと言うのであれば、犬山へ帰るわよ!!」

きよひこの姉は、ものすごく激怒した表情でドスドスと足音をたてて家から出て行った。

この時、きよひこの両親はせっかく建てた家を売却処分することを考え始めた。

今の家をタンポにして、別の場所に土地を買って、建築も1からやり直しとなっていたけど、もうあきらめよう…

きよひこの両親は、家を建てることを完全にあきらめた。

家庭の問題が深刻になったので、新築の家を持つことが困難になった…

そのまた上に、深刻な問題が発生した。

そうなった原因は、新規購入した土地の立地条件が悪かったことにあった。

問題の場所は、貨物船のコンテナ基地が近くにあった。

何日か前に基地に置かれているコンテナから猛毒性が強い南米産のアリ・ヒアリが大量に発見されたニュースが報じられた。

その直後から、政府機関による調査がコンテナ基地と周辺の地域の土を対象にトラップを使ってアリを捕獲したあと生態調査をしていた。

調査は、新しく買い直した土地でも行われていた。

その関係で、新築工事の開始が延期されていた。

7月21日に政府機関による調査が終了した。

この時、きよひこの両親は施工業者の人に土を全部テッキョしてくれと頼んだ。

業者さんは、要求通りに土を全部テッキョした。

テッキョした土は、健康に関わる病原菌が多く含まれていたので、遠方の廃棄物処理施設で全部処分された。

7月25日に、土がテッキョされた土地に防凍剤入りのコンクリートが大量に流し込まれた。

それが原因で、コンテナ基地付近で恐ろしい事件が発生した。

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